最近はゲスト出演みたいな役が目立つケヴィン・コスナーの久しぶりの主演作品。ただ、どういう訳か、この時期の封切作品の中で、この映画はイマイチ目立たない。映画会社の広告宣伝も今一つ力が入っていないように思えたのは気のせいか? もう、ケヴィン・コスナーの名前だけでは客は呼べないのかもしれない。
映画はスポーツ物。といってもNFLのドラフトの当日を含む数日間の選手獲得のための駆け引きやらチームの内輪のごたごたなどが題材。映画の冒頭でNFLのドラフトの仕組みが簡単に日本語で説明される。正直、この説明が無かったら、映画を見ても何をやっているのかよく分からなかったと思う。逆に言うと、アメリカではそんな説明が不要なくらいNFLとそのドラフトがポピュラーだということか?
映画の前半ではケヴィン・コスナー演じるクリーブランド・ブラウンズのGMはくたびれた中年で、ドラフトに先立ってのチーム内を纏めることや他チームとの交渉で失敗ばっかり。私生活でも問題を抱えてまったくパッとしない。
ところが後半、初志貫徹で強引とも見える舵取りを始めると、運が向いてきたのか今までの失点を取り返してハッピーエンドとなる。
娯楽映画として楽しめる。しかし良く考えてみると、ケヴィン・コスナーは最後の交渉で大勝ちしたかのように持ち上げられているけど、最初のマイナスをなんとかリカバーしただけとちゃうのんと言いたくなる。ちょっとストーリーに無理があるか?
ドラフトに責任と権限を持つGMにフォーカスが当たる筋書で、ケヴィン・コスナーはまずまず。しかし、その他のわき役陣が今一つ。チームのスタッフも敵役のライバルチームのGMも、この手の映画でお決まりのパターンで新味がない。恋人役のジェニファー・ガーナーも魅力的に見えない。ブラウンズの監督役のデニス・リアリーだけが頑張っていた感じ。
ドラフトのイベント自体が一つの豪華なショーで、その雰囲気を楽しんだり、本人役で映画に出ていたかつての名選手やNFLの有名人が好きな人には楽しい映画かもしれないが、そうでない人にとってはNFLの宣伝映画を見ているような気にさせられる。
Trailer
番号 | 邦題 | 原題 | 監督 | 評価 |
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6 | ドラフト・デイ | Draft Day | Ivan Reitman | 2.5 |
5 | 今日の映画 – 特捜部Q 檻の中の女 | Kvinden i buret | Mikkel Norgaard | 3 |
4 | KANO 1931海の向こうの甲子園 | KANO | 馬志翔 | 3.5 |
3 | ジミー、野をかける伝説 | Jimmy’s Hall | Ken Loach | 3.5 |
2 | シン・シティ 復讐の女神 | Sin City: A Dame to Kill For | Robert Rodriguez, Frank Miller | 3.5 |
1 | 毛皮のヴィーナス | Venus in Fur | Roman Polanski | 4 |