リドリー・スコット監督の歴史物ということで観に行く。広告でも一言も謳っていないが「十戒」のリメークといった感じ。
主役のモーゼを演じるのはクリスチャン・ベール。性格俳優として存在感がある上に、西部劇からSFまで役になりきる好きな俳優。「アメリカン・ハッスル」ではだらしなく太った体を見せていたが、この映画では別人のように締まった体つきに戻っている。
相手役のラムセス役のジョエル・エドガートンは「ゼロ・ダーク・サーティ」や「華麗なるギャツビー」に出ているが記憶に残っていない、この映画が初の大役じゃないかと思われる。「十戒」のユル・ブリンナーに倣ってか、丸坊主の出で立ち。この人、スター・ウォーズシリーズにも出ているので、どの役かと思ったら、赤ん坊のルークを預かって育てるオーウェン・ラーズの役をやってた人。
映画は「十戒」を今の特撮技術で取り直した感じ。神の御業でナイル川が血の色に染まったり、疫病が流行ったりすることなどを超常現象としてではなく、こじつけでも説明できる自然現象としているところには監督のこだわりがあるのかと思う。
これは、クライマックスの紅海が割れるシーンでも「十戒」のように両側に海が割れるのではなく、津波の前の引き波のように水が紅海の外へと引いて、大きな波となって戻ってくるというように撮られている。このシーンはどうしても津波を連想してしまうので、日本では宣伝に使いづらかったかもしれない。
大津波にのまれた二人が、どちらも助かるというのはご都合主義やけど、あんまり細かいことは言いっこなし。「十戒」よりも宗教色が薄まって、モーゼの人間らしさが描かれているが、娯楽作品として単純に楽しんだらええと思う。
Trailer(1~3)
番号 | 邦題 | 原題 | 監督 | 評価 |
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7 | エクソダス 神と王 | Exodus: Gods and Kings | Ridley Scott | 3.5 |
6 | ドラフト・デイ | Draft Day | Ivan Reitman | 2.5 |
5 | 今日の映画 – 特捜部Q 檻の中の女 | Kvinden i buret | Mikkel Norgaard | 3 |
4 | KANO 1931海の向こうの甲子園 | KANO | 馬志翔 | 3.5 |
3 | ジミー、野をかける伝説 | Jimmy’s Hall | Ken Loach | 3.5 |
2 | シン・シティ 復讐の女神 | Sin City: A Dame to Kill For | Robert Rodriguez, Frank Miller | 3.5 |
1 | 毛皮のヴィーナス | Venus in Fur | Roman Polanski | 4 |