今日の映画 – 約束の地、メンフィス テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー(Take Me to the River)

「約束の地、メンフィス ~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー」のポスター

映画レビュー

2014年製作のドキュメンタリー。1960~70年代にメンフィスで活躍したソウル、ブルースの大御所を再びメンフィスに呼び集め、若手アーティストとの共演をレコーディングするという取り組み。

ブッカー・T・ジョーンズ、メイビス・ステイプルズ、ボビー・ラッシュ、ウィリアム・ベル、チャールズ・スキップ・ピッツ、チャーリー・マッスルホワイト、オーティス・クレイ、
ボビー・ブルー・ブランドなどレジェンドたちがスタジオにやってきて同窓会のような雰囲気。

彼らと共演する若手は、スヌープ・ドッグ、ヨー・ガッティ、フレイザー・ボーイ、リル・P・ナットなど。なぜか、ヒップホップ系の人たち。スヌープ・ドッグなんか40代後半なのでおっさんなのに、レジェンドの前では十分若手。そして、この若手たちが借りてきたネコのように礼儀正しくて大御所たちをリスペクトしている。

レコーディングのシーンも大御所は貫禄で、それぞれのスタイルで歌ったり演奏したりしている。一方のラッパーはスマホを片手に歌うところが対照的で面白い。

アーテイストたちのレコーディングと並行して、メンフィスで黒人音楽の拠点と成っていたスタックス・レコードについて、共同経営者だったアル・ベルが語る。ある時期はモータウンに対抗するほど栄えたのに、大手レコード会社の競争に巻き込まれて倒産の憂き目に会う。しかし、当時のスタジオは「スタックス・アメリカン・ソウル・ミュージック博物館」となり、ミュージック・アカデミーとして若手ミュージシャンを育成している。映画の中でも、このアカデミーの学生たちとレジェンドとの共演シーンがある。

レジェンドたちは、皆歳も歳なので映画の中で元気に写っていたチャールズ・スキップ・ピッツとボビー・ブルー・ブランドは本国での公開時には既に亡くなっていた。その後、オーティス・クレイも亡くなっていて一抹の寂しさを感じる。まあ、生きてるうちに映画になって良かったということか。

予告編

2017年に観た映画

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