今日の映画 – インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌（Inside Llewyn Davis）

コーエン兄弟の最新作。彼らの映画はオー・ブラザー！を筆頭に音楽に凝ったものが多いけど、この映画は60年代のフォーク・シンガーの話。

主役のルーウィン・デイヴィスはモデルになった人はいるらしいが、架空の人。フォークのパートナーに自殺されて、それをまだ引きずっている。「Inside Llewyn Davis」というのはソロ・アルバムのタイトルやけど売れずに金が無い。知り合いの家を泊まり歩いているけど、協調性に問題があってしょっちゅう揉めてる。演じているオスカー・アイザックはこの映画まではちょこちょこと端役で出ているくらいの無名の男優やけど、歌って演技もできてこの役にハマってる。

映画の前半は主人公が大きなネコを抱えていろんな人に会いに行って登場人物が分かってくる。ところが中盤から一転、変な3人+ネコのシカゴへのロード・ムービーみたいになったかと思うと、突然旅は終わってしまう。このあたりの造りはコーエン兄弟の面目躍如。

映画の中ではオスカー・アイザックがギターを引きながら歌う数曲を含めて、ぶつぶつと細切れにすることなく、ちゃんと聴かせてそれぞれが映画のなかにちゃんと収まっている。

ラストシーンにはボブ・ディランのような人がチラッと写って、当時のグリニッチ・ビレッジのフォーク隆盛前夜の雰囲気が出てる。久しぶりにフォークを聞いてみて、迫力には欠けるけど、 こういうメロディーやハーモニーもええなと思った。

Trailer

2014年に観た映画一覧