映画レビュー
スパイダーマンの新シリーズ。実写化映画としては6作目になるが、最初の3作はサム・ライミ監督、トビー・マグワイア主演。ここでリフレッシュされてアンドリュー・ガーフィールド主演のアメイジング・スパイダーマンが2本製作されたが、興行不振で続編が撮られなかった。そして、満を持して今回のスパイダーマンは、トム・ホランド主演でマーベルのキャラクターがクロスオーバーする「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の映画として再登場となった。なので、MCUでの超人のリーダー格のアイアンマンとキャプテン・アメリカがちょこっと出てくる。
今までのスパイダーマンは、困難に遭遇しても一人で戦ってきたが、今回はアイアンマンが超人の先輩として君臨しているので若手の駆け出し超人といった位置付け。アベンジャーズに参加して世界レベルで活躍したいと思っているが、アイアンマンには「ご近所で頑張ってくれればよい」と子供扱いというかパシリ程度の扱い。また、学校のシーンがけっこう多く、今までのスパイダーマンよりも多少若くて子供っぽくなった感じがする。
一方で、悪役のバルチャーを演るのはベテランのマイケル・キートン。このバルチャーという役、原作のコミックでは緑色の翼を付けたハゲタカのような感じで見た目イマイチだが、映画では2つのファンが組み込まれた脱着式の翼が金属的な質感で、かなり格好良い。また、根っからの悪人ではなく、仲間を守るために悪の道に入ったという設定にしているところはマイケル・キートンに配慮してのことか? マイケル・キートンの出演作では、バードマンを連想するが、さらに遡れば彼はマーベルと対抗する大手コミックDCの主要キャラクターであるバットマンに主演しているというのもおもしろい。
その他、マーベル関連の小ネタがいろいろとあるらしいので、マーベルファンにとっては楽しいところ。今後、MCUの中でスパイダーマン主演の映画が続いていくと思われるが、アベンジャーズの一角でスパイダーマンが出てくることも期待できそう。
フェリーやエレベーター、バルチャーとの戦いなどの特撮シーンはよく出来ていて楽しめる。ここまでくると、どの部分がコンピュータで作られて、どの部分が実写なのか全く分からない。
予告編
2017年に観た映画
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