映画レビュー
コロナの影響で新作映画の封切りが大幅に減ってしまった昨今、新作はほぼインディ系に限られた状況になってしまっている。その中で、ルーニー・マーラ、ライアン・ゴズリング、マイケル・ファスベンダー、ナタリー・ポートマンという豪華キャスト、これは観なければと映画館へ行く。
映画はオースティンを舞台にした4人の男女のの物語。だが、これを物語と行ってしまってよいものだろうか。映画の冒頭から10秒程度のカットが連続して交錯する。前半は登場人物の会話もほとんどなく、一人称でのナレーション風のセリフが連続する。この細切れにされた断片を頭のなかでつなぎ合わせていくのが相当困難で、正直疲れた。後半はやや普通の映画らしい部分も出てくるが、果たしてこの映画に脚本はあったのだろうかと疑問に思うような作品。
一方で映像は斬新で美しい。映画の途中で筋を追うことをあきらめて、映像を眺めて楽しむことに切り替えたらそれなりに観ることができた。やっぱりこれは難しい映画だと思う。観終わったあとに確認すると製作年は2017年。うがった見方をすれば、配給会社は日本での興行を見合わせてお蔵入りになっていたのを作品が少ない今になって発掘してきたのではないだろうか。う~ん。