映画レビュー
フランス映画。双子を題材にしたサスペンス物。
原因不明の腹痛に悩まされ、精神分析医を紹介されるクロエ(マリーヌ・ヴァクト)は診察を受けるうちにその精神分析医ポール(ジェレミー・レニエ)と恋仲になる。ところがポールには秘密にしていた過去の名字や、双子の兄ルイが居てその兄も精神分析医を開業しているというややこしい展開。
ジェントルマンのポールに対してルイは不良オヤジ。一人二役のレニエは表情だけで2人を演じ分けている。ルイの存在を認めないポールに疑念を持ったクロエはルイに惹かれていく。演じているヴァクトは悪くはない。が、ポールに隠し事はしないでくれと言いながら、彼の荷物を勝手に調べたり、隠れてルイと合っているクロエの性格がうっとうしい。
映画が進むにつれ、観ている側は当然ながら結末を予想する。可能性としては、ルイが実存して過去の悪行で隠されているのかもしれないし、ポールがジキルとハイドみたいな二重人格で2人が同一人物とか・・・。
ところが全く違う結末。それはそれで構わないのだが、論理的に推理してこの結論へは辿り着けないのはどうしたものか。まあ、それも大目に見たとしても、映画のかなりの部分が実在しなかったというオチは納得し難いものがある。
冒頭のクロエが髪をカットするシーン、ルイの診療所の入り口や診察室の鏡をつかったシーンなど映像に凝っている。また、クロエが歩くところでは、ハイヒールの踵と床とのコツコツ音が印象的に使われている。主演の2人の演技も良かったのに、原作に無理があったとしか言いようがない。
クロエの母親役の女優が見たことあるなとおもったら、ジャクリーン・ビセットだった。とっくに引退したと思っていたが、出演作リストを見るとコンスタントに出演している様子。
予告編
2018年に観た映画
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