今日の映画 – インターステラー （Interstellar）

上映時間3時間のSF映画の力作。 監督はバットマン物なんかを撮ってるクリストファー・ノーラン。

滅亡が近い地球を脱出して移住できる惑星を探しに行く話。そのためには光速を超える宇宙船が必要になってくるが、人類が新型宇宙船を発明したという話にするのはあまりにもお手軽。この映画の原作では、正体不明の「彼ら」が土星の近くにワームホールを作ってくれて、そこを通り抜けるだけで遥か遠くの宇宙につながっているという設定にしてある。なので、とりあえず近未来に実現できそうな宇宙飛行で土星まで辿り着ければなんとかなるというのは現実感がある。一方、5次元のチ的生命体であるらしい「彼ら」を導入してしまって、説明のつかないことを全部押し付けてしまっているのは少々ずるい気もする。

マシュー・マコノヒー演じる主人公は元NASAの宇宙飛行士で、今は農場の経営者。住んでいるのはけっこうボロい木造の家で砂嵐が襲ってくると家中砂だらけになってしまう。映画での設定は戦争での荒廃や異常気象で衰退している人類は近代科学を否定するような変な世の中になってるけど、家くらいもうちょっとマシなとこに住めるのんちゃうかと思ったのは映画を観終わったあと。観てる最中はけっこう引き込まれて気にならんかった。

マシュー・マコノヒーはここ数年でブレイクしたけど、この映画でも好演。ダラス・バイヤーズ・クラブでのアカデミー賞受賞がフロックでないことを示してみせた。

アン・ハサウェイがSF映画というのは今ひとつイメージできなかったけど、観てみれば悪くなかった。最悪はマット・デイモンで、彼の出る2つ目の惑星の話は丸ごと無くても良かったんちゃうかな。そしたら、映画も2時間半くらいで収まってたやろうに。 このマット・デイモン、理由は分からんけど、映画の冒頭やポスターにもクレジットされておらず、終わった後のクレジットで名前が出るだけ。

あと、引っかかるのは、ブラック・ホールに落ちたマシュー・マコノヒーとロボットが異次元の空間に導かれるのは「彼ら」の好意のお陰と解釈するとしても、その後に土星付近で発見されて救助されるというのはちょっと都合良すぎて説明が付かん。

さらに突っ込むと、光速に近い速度で移動すると時間の経つのが遅くなるという相対性理論のことは映画の中でも説明されていて納得できるが、ラストシーンあたりでは娘が老人になっていることから、アン・ハサウェイが3つ目の星へ向かってから地球時間で30年くらい経っているものと思われる。 この間に人類は移民の中継点となる宇宙ステーションを作って、そこで居住できるようになっているのに。最終目的地の3つ目の惑星に人を送り込んだ形跡がなく、アン・ハサウェイは冬眠状態で放置されてるみたい。それはないやろ。

というように気になるところはいくつかあるけど、それを差し引いてもようできた映画。

Trailer

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