映画レビュー
めちゃくちゃ分かりにくい映画というか見る人を選ぶ映画。見ようによっては、妻の事故死でプッツンしてしまった主人公のデイヴィス(ジェイク・ギレンホール)がだんだんと奇行に走り、その過程で知り合ったこれもプッツン気味のカレン(ナオミ・ワッツ)と意気投合して、さらに彼女のちょっと変な息子とも仲良くなって物を壊しまくる変な映画。さらに、回想シーンや幻覚のようなフラッシュバックも入ってくるので映画の進行についていくのが大変。ちょっと気を抜くと置いて行かれそうになる。
主演のジェイク・ギレンホールは変な人をやらせたら第一人者、「ナイトクローラー」のあの役をあれだけ不気味に演じれる人はそうおらん。なので、こういう役はたぶん得意中の得意ではないかと思う。
見た目が普通のナオミ・ワッツはちょっと変わった役ではあったが、飛んでる息子役(ジュダ・ルイス)に食われていた感じ。
デイヴィスは妻の死後に涙を流すことがなかったが、ある時、車に乗る際に亡き妻が青いポストイットに書いたメモを偶然見つける。メモの内容は「If it’s rainy, you won’t see me. if it’s summy, you’ll think of me.」。このメモを見てディヴィスは初めて泣く。ここから立ち直って仲違いした義父とも和解して立ち直っていく。原題の「Demolition」は破壊とかいう意味で、原題と無関係な邦題を付ける配給会社にはしばしばうんざりさせられるが、この邦題はええのんちゃうかな。
とにかく、説明的なセリフが殆どないので、見る側が一生懸命推論しなければならないので疲れる。疲れるが、体調さえよければ、それもまた楽しい。しかし、こういう映画は通受けはしても一般にはアピールしないので日本ではヒットしないのが通例。映画の制作年は2015年なのに、2017年公開となっているのは配給会社が悩んだ末か? まあ、お蔵入りにならずに公開されてよかった、よかった。
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2017年に観た映画
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