映画レビュー
誰もが知っている「くまのプーさん」。ディズニーのアニメを連想するが、具体的なストーリーまではよく知らなかった。主人公の少年、クリストファー・ロビンと「100エーカーの森」に住むぬいぐるみたち、すなわちプー(くま)、ティガー(虎)、オウル(フクロウ)、イーヨー(ロバ)、ピグレット(豚)達と冒険するというような話。「100エーカーの森」はクリストファー・ロビンの想像上の世界という解釈もあるが、この映画では超自然的な別空間のように描かれている。そういう予備知識があれば、イーヨーのしっぽ探しのエピソードなどと絡めて楽しめるのかもしれないが、全く知らなくてもそれなりに楽しめる。
ディズニーによる最後のアニメ作品は2011年の「くまのプーさん(Winnie the Pooh)」。この映画はその後日談みたいなもので、アニメではなく実写化。しかも「100エーカーの森」の中だけの話ではなく、ぬいぐるみ達がそこから抜け出して人間社会へもやってくる。実写化に際しては実際にぬいぐるみを作って、縫い目や質感などを実際のぬいぐるみに似せたという。たしかに、使い込まれてちょっとくたびれたぬいぐるみの感じがよく出ている。プーとティガーの声は同じ人が演っていて、このジム・カミングスは前作のアニメでも同じ役を演っていた。
原題が「Christopher Robin」であるように、主人公は中年になったクリストファー・ロビン。少年のころは「100エーカーの森」で遊んだのに、今や業績不振の企業の中間管理職でリストラを迫られているという世知辛い役をユアン・マクレガーが好演。そこへプーがやってきて昔の気持ちと家族の絆を取り戻すという外しようがない仕立てはさすがのディズニー。他の出演者は、クリストファー・ロビンの奥さん役がキャプテン・アメリカの恋人役を演っていたヘイリー・アトウェル。クリストファー・ロビンの上司が、テレビドラマ「SHERLOCK」でマイクロフトを演っていたマーク・ゲイティス。
他愛もないストーリーではあるが、ぬいぐるみのプーが「I am a bear of very little brain.(僕は頭の悪いくまなんだ。)」というところでころっとやられる。
予告編
2018年に観た映画
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