今日の映画 – マリアンヌ(Allied)

「マリアンヌ」の映画のポスター

映画レビュー

ロバート・ゼメキス監督、ブラッド・ピット、マリオン・コティヤール主演の割には評判になっていない映画。

冒頭の落下傘での降下シーンから砂漠の雄大な風景のロケ、謎のドライバーに案内されていきなり諜報員の現場に入り込むなど上々の滑り出し。舞台は第二次世界大戦中のカサブランカ。ストーリーは全く違うがハンフリー・ボガードとイングリッド・バーグマンの名作「カサブランカ」を連想する。マックス(ブラッド・ピット)とフランスのレジスタンスあがりのマリアンヌ(マリオン・コティヤール)の2人が生存確率の低いミッションをやり遂げるまでの緊迫した雰囲気も良い。マリアンヌが機関銃を撃ちまくるところなんかけっこう痺れる。

ところが、その後があかん。マックスがイギリスに帰還してマリアンヌを呼び寄せて結婚したあとは、ぬるいテレビのドラマを見ている気になってきた。マリアンヌに掛けられたスパイ容疑を晴らすべくマックスがいろいろと手を尽くすが、ストーリに捻りもなく淡々と話しが進んでいくだけ。見ている側とすれば、そのうち話が急展開するのか、それとも何か伏線を見逃していたのかとやきもきしているうちにラストへ。「えっ、これで終わりやのん?」 というのが正直な感想。

マリアンヌが本人なのか、別人のなりすましなのかを確かめる方法がピアノで「ラ・マルセイエーズ」弾けるかどうかというところに至っては、「カサブランカ」へのオマージュを無理やりはめ込んだという感じで返って白けてしまう。ラストシーンでは飛行機で逃走したあとの計画も無さそうで意味不明。そもそも、脅かされて意にそぐわないスパイ行為を強いられていたというのも納得できない説明。そもそもマリアンヌの人格、意識への掘り込みが全く無いので理解不能。

ブラッド・ピットは俳優業よりも映画製作の方に興味があるのかと前々から思っていたが、「フューリー」でちょっと見直したらこの低落、パンツ脱ぐとこだけは速かったけど。マリオン・コティヤールはフランスを代表する女優のはずなのに活かしきれていない。もっとも、カサブランカでナチスと撃ち合うには2人ともちょっと歳が行き過ぎか? 衣装デザインは良かったし、大人の雰囲気の2人なので、もっと別の映画やったら良かったかもしれない。

ちなみに原題の「Allied」というのは「同盟の」とか「結びついた」という意味だが、このタイトルもピンとこない。邦題は直訳するわけにもいかず「マリアンヌ」と当たり障りのないとこにしたのかな。

Trailer

2017年に観た映画

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