今日の映画 – タクシー運転手 約束は海を越えて(A Taxi Driver)

A Taxi Driver

映画レビュー

久しぶりの韓国映画は1980年に起こった光州事件を題材にしたもの。映画はドキュメンタリー仕立てではなく、実在したタクシーの運転手の視点でのフィクションを交えた作り。お陰で、内戦で多くの死者が出た光州事件の「重さ」を残しつつ、ドラマとして観やすい映画にしたことが本国でのヒットにつながったと思う。

光州事件は隣国で起こった事件としてリアルタイムで知ってはいたが、所詮他所の国の話くらい程度の関心しかなかったので、詳しい実情を知らなかったので、この映画を観て、さらに参考資料に目を通すことで思った以上に悲惨な事件だったことを改めて理解した。

日本と韓国は今あまり良い関係ではないが、僅か40年前に韓国ではクーデターで実権を握った軍事政権があって言論の自由も制限されていて、光州事件のような内戦といって良い事件があったということは気の毒な歴史と言わざるを得ない。まあ、日本の歴史が素晴らしいかというとそれはまた別の話ではあるが・・・。ともかく、韓国にとっては振り返りたくない過去を映画にして、それがヒットするということは良いことではないだろうか?

映画は主演のソ・ガンホの好演が光る。タクシーの運転手仲間の連帯感とか、お金に執着はあるものの、筋を通したり意地を張ることを優先するようなところも微笑ましい。ただ、ラスト近くのタクシー仲間が応援に来てカーチェイスになるところは余計だったか。検問の軍人がソ・ガンホとトーマス・クレッチマンの2人が指名手配中と知りながら逃がすところで十分だったと思う。

予告編

2018年に観た映画

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