映画レビュー
動物物の映画、ただし実話に基いている。舞台はロンドン、ジェームズ・ボーエンというヤク中のストリート・ミュージシャンがたまたま拾った猫ボブとの共同生活で立ち直るという話。
単独ではギターを弾いて歌ってもたいした稼ぎにならなかったのが、ボブを肩に乗せただけで人気急上昇。紆余曲折あるが猫とのパフォーマンスに注目した出版社から出した本が売れてストリート・パフォーマーを卒業する。
ストーリーは至ってシンプルで、猫が居なければ成り立たないような話ではあるが、動物物の映画としてのウリは押さえてある。なので、大ヒットしなくてもある程度は売れると読めるような映画。
猫を使った動物物ではかなり古いがポール・マザースキー監督の1974年作品「ハリーとトント」を思い出した。この映画では猫のトントの首輪に付けた紐をハリーが持って、犬の散歩のように街中を歩くシーンがあった。猫を散歩させるのは難しいそうで、トント役の猫を数匹用意して機嫌の良い猫を使ったとプロダクション・ノートにあったと記憶している。
この映画の猫ボブも、街中でかなり落ち着いた演技をしているが、よく見ると顔は似ているが胴の模様が違うのに気がついたので少なくとも2匹は使われている様子。そのうちの一匹が原作者ジェームズ・ボーエンの飼い猫ボブで映画の終わりでも「Himself」とクレジットされていた。
出演者は殆どしらない俳優だが、主人公の薬物中毒治療をサポートする医師役は、ドラマ、ダウントン・アビーでメイドのアンナをやっていたジョアン・フロガットだった。
映画と全く関係ないけど、原題の「A Street Cat Named Bob」は、「欲望という名の電車(A Street Car Named Desire)」を意識したものだろうか? だったら、拾った時にBobとセずに、Desireにしておけば良かったのに・・・。
予告編
2017年に観た映画
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