前回、Windows 10環境にbitwardenを導入して、とりあえず使えるようになった。今回はその続き。
データーをインポートした後の処理
これまではChromeのパスワードマネージャーを長く使っていたので、それまで使っていたパスワードはbitwardenでも使える。しかし、以下のような問題に遭遇した。
- 不要なユーザID、パスワードのセットが多数発見された。
- ユーザIDが2つ以上に分割されているログイン画面では一部しか自動入力されない。
- 一部のサイトでは自動入力できず、カット&ペーストが必要になる。
不要なデータの整理
これは長年に渡って整理せずにChromeに蓄積していたデータをそのまま使っているので仕方ないこと。インポートしたデータはbitwardenの保管庫の「フォルダーなし」に収納されているので、これをマニュアル作業で眺めて、明らかに不要なものを削除してくことから始めた。
また、カテゴリー分類するためのフォルダーを作って、生きているデータをそれぞれのフォルダーへ移動して整理した。
Windows環境でbitwardenは、ブラウザの拡張機能、Windowsアプリケーション、Webアプリケーションと3つの操作方法があるが、それぞれ機能が微妙に違う。複数のデータをまとめてフォルダー間で移動したり、削除したりするのは複数指定できるWebアプリケーションが便利。
重複したデータの整理、統合
ChromeはURL、ユーザーID、パスワードのセットで記憶しているので同じユーザIDとパスワードでも、ログインするページが複数あったりすると別々に記憶しているようで、bitwardenに取り込んだデータでログインしようとすると複数の候補が出てくることがある。
例えば、Adobeにログインしようとすると、このように候補が3つ出てきた。試してみると、この3つのいずれでもログインできた。このように使えるデータが複数あると見た目が分かりにくいだけでなく、将来にパスワードを変更した場合、更新されないデータがあるとトラブルになる。不要な2つを削除し、残った一つの名前を分かりやすく「Adobe」とするなどの整理を行った。
2項目以上の入力が要求されるログイン画面への対処
多くのログイン画面では、ユーザーIDとパスワードの2項目を入力するが、銀行などいくつかのサイトでは3項目以上を要求されることがある。この場合Chromeでは対応できなかったが、bitwardenではカスタムフィールドを定義することで自動入力できる。
例えば、ジャパンネット銀行のログイン画面は、店番号、口座番号、ログインパスワードの3つを要求される。
保存されているジャパンネット銀行のデータを編集し、「店番号(3桁)」と「口座番号(7桁)」のカスタムフィールドを作成し、それぞれに値を入力して保存する。「ユーザー名」は空欄にしておく。これでbitwardenから自動入力できるようになる。
少しややこしいのは三井住友銀行。
同じく、3項目の入力が必要だが、ジャパンネット銀行のようにカスタムフィールドの名前が明確になっていない。試しに「店番号」、「口座番号」などを使ってみてもうまくいかない。
そこで、このページのコードを調べる。ブラウザがChromeなら、右上のメニューから、「その他のツール」~「デベロッパーツール」を選択。
画面が分割されて、右側にコードが表示される。目標の近くの分かりやすい文字列(例えば「店番号・口座番号(普通預金)」)を検索すると、その3行下と7行下に「S_BRANCH_CD」と「S_ACCNT_NO」が見つかる。
これらを名前にしてカスタムフィールドを作成し、必要な値を入力。これで自動入力できるようになった。
4項目の入力が必要な、日本生命のログイン画面には「former1」~「former3」のカスタムフィールドを作成すればよい。
電子申告e-Taxのログイン画面では、利用者登録番号を4つのフィールドに分割して入力しなければならないが、これも「txt_nouzeishaId1」~「txt_nouzeishaId4」を作ることで対処できた。
Chromeの自動入力をオフにする
bitwarenでパスワードの自動入力と新しいパスワードの記憶を行うので、Chromeのパスワードマネージャー機能は要らなくなる。右上のメニューから「設定」~「自動入力」~「パスワード」に移動して、「パスワードを保存できるようにする」と「自動ログイン」をオフにする。
これでしばらく使ってみる。
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