これはかなりマニアックな映画。ステーヴン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督で映画化された「シャイニング」に隠された意味を6人の「シャイニングおたく」が語るという内容なので、「シャイニング」を観ていない人には何が何やら分かれへん。
たとえ「シャイニング」を観ていたとしても、キューブリックが嫌いやったらつまらん映画。 幸い、キングは好きな作家やし、キューブリックも好きな監督の10指にはいるくらいなんで、それなりに面白く観ることができた。
順回しと逆回しの映像を重ねて観るというのは発想として斬新やし、子供がホテル内を三輪車で走り回る映像からホテルの廊下のマップを図示するのもなるほどと思わせる。
しかし、壁のポスターの絵からミノタウロスに引っ張っていくとこなんか無理無理やし、アポロ計画での月着陸は捏造でそれにキューブリックが関与していたというような話を聞かされても、う〜んというところ。
この6人のおたくが洒落じゃなくてまじめに「シャイニング」に関するそれぞれの「発見」を信じていて、それらが映画になっているということは、キューブリックが偉大な監督で、「シャイニング」が30年経っても議論の題材にされる名作ということか?
「シャイニング」を観たのはずいぶん昔やけど、期待して観に行ったのに、今ひとつ消化不良というかもやもやとした感じで終わった記憶がある。 キングは「キャリー」以来、「ファイアー・スターター」など超能力物の小説をいくつか書いているので、「シャイニング」も子供の超能力がどこかで顕在化してくるものと思い込んでいたら、なんかはっきりせんままジャック・ニコルソンの狂気だけがクローズアップされる映画になってしまったように思った。
しかし、この映画で「シャイニング」の断片をいくつも見せられたら、本編をもう一度通して観てみたい気がする。 たしか、録画していたはず。
Trailer
番号 | 邦題 | 原題 | 監督 | 評価 |
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1 | ブランカニエベス | Blancanieves | Pablo Berger | 4 |
2 | フォンターナ広場 イタリアの陰謀 | Romanzo di una strage | Marco Tullio Giordana | 3 |
3 | 鑑定士と顔のない依頼人 | The Best Offer | Giuseppe Tornatore | 3 |
4 | オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ | Only Lovers Left Alive | Jim Jarmusch | 4 |
5 | さよなら、アドルフ | Lore | Cate Shortland | 3 |
6 | ROOM237 | Room 237 | Rodney Ascher | 2 |