映画レビュー
予告編を見たうえで映画館へ行ったので、主演のシャーリーズ・セロンが3人の子育てで大変なところにタリーというナイトシッターが現れて・・・という筋書きは分かっていた。
ところが、このタリーが若いのにパーフェクトで、話が進むほどにこんな都合の良い話はないやろという思いが強まってくる。ところが、優等生だったタリーがシャーリーズ・セロン演じるマーロに子供をおいてマンハッタンへ飲みに行こうと誘うあたりから「ん?」という感じになってくる。
マーロが飲むならタクシーで行こうというのにタリーが帰りは自分が運転するからと答えて自家用車で出かけるが、飲んで帰る車をタリーではなくマーロが運転しているところで違和感。運び込まれた病院の精神科医がマーロの夫へ状況を説明するところで謎が解ける。
最近観た映画では「2重螺旋の恋人」が現実と妄想が入り混じった作りになっていたが、この映画も手法としては同じ。「なるほど」と思って納得する反面、現実と妄想との境目の見せ方が気になったり、そもそも映画製作者が観客を「騙す」手段としてはお手軽すぎるような気もする。
タリーについてマーロと会話する夫はマーロが想像したものだとすれば、ベッドでヘッドフォンをつけてシューティングゲームにふける夫は実体なのか想像なのか微妙ではある。マーロは自分の結婚を失敗だとは思っていないので、家庭の状況が見えていないお気楽な夫との落差が際立つ。
主演のシャーリーズ・セロンはスラッとした美人なのにアカデミー主演女優賞を獲得した「モンスター」では14kg増量した体を張る女優。「マッドマックス 怒りのデス・ロード」での丸刈りは序の口で、この映画では再び16kg増量して3人の子供を持つ中年の母親になりきっている。映画の中では、へとへとに疲れていたところからタリーに助けられて元気が回復した頃はウェストも細くなっていたが、最後の病院では元通りのデブデブで痛々しい。それでも減量すると元に戻るから大したもの。
予告編
2018年に観た映画
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