映画レビュー
ティム・バートン監督のファンタジー映画。「奇妙なこどもたち」というのは特殊能力を持った異端のこどもたちで、普通の人と違いすぎるので、外界から隔たれた閉じた時間のなかで暮らしていて、そのこどもたちの擁護者の一人がミス・ペレグリン。ミス・ペレグリン役のエバ・グリーンは「シン・シティ 復讐の女神」で見ているはずなのに記憶に残っていない。学校の先生とか寮監みたいやけど、ティム・バートン好みかなという感じがする。
敵役は特殊能力者ながら悪い方へ道を踏み外したバロンとその子分たち。この連中はふとしたことでホローという透明な怪物になってしまったが、特殊能力者の目玉を食べると人間の姿にもどれることが分かって、特殊能力者の秘密のコロニーを襲うようになっているという設定。バロン役は奇人怪人役が板についてしまったサミュエル・L・ジャクソン。
この対立する2つのグループに、ホローを見ることができるというおじいさんの特殊能力を隔世遺伝で引き継いだ主人公ジェイクが絡んで話が進んでいくという構図。ジェイク役のエイサ・バターフィールドは「ヒューゴの不思議な発明」のヒューコ役の少年。
特殊能力者の集団というとX-メンを連想するが、X-メンがマーベルのコミック臭を振りまくのに対して、この映画は絵本の様なきれいな絵作りと奇妙な気持ち悪さが同居したティム・バートンの世界観そのもの。特殊能力者の子供も、火を出したり、力持ちだったり役に立つのも居れば、重りの靴を脱いだらふわふわ浮き上がるというあまり役に立たないような能力もあったりするのがおとぎ話っぽい。
ただ、予備知識なしで映画を見ると、ミス・ペレグリンが時間を操作する能力を持っていて、「ループ」という閉じられた世界を作ることができるが、そこでは同じ日を何度も繰り返しているという話の筋がちょっと理解しにくいかもしれない。
出演者の多くは子供ではあるが、大人でも楽しめる映画。特に、ティム・バートン好きにはたまらんのんちゃうかな。
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2017年に観た映画
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