今日の映画 – ハン・ソロ:スター・ウォーズ・ストーリー(Solo: A Star Wars Story)

Solo A Star Wars Story

映画レビュー

「ローグ・ワン」に続くスター・ウォーズからのスピンアウト作品。ローグ・ワンが思った以上にヒットしたので、ディズニー2匹めのドジョウを狙ったがアメリカでの興行成績がイマイチという。

全般的な印象としては無難に作った娯楽映画。最初から最後まで休む間もなくアクションシーンが続いて、それぞれがしっかり作られているので楽しめる。前半の列車強盗のシーンはかなり手間をかけて撮っているようで、手抜きがないのは好感が持てる。

ただ、この映画を観に来るスター・ウォーズのファンにとっては、本編では描かれなかった、

  • ハンの生い立ち。
  • チューバッカとの出会い。
  • ランド・カルリシアンとの出会いとミレニアム・ファルコンを手に入れるところ。

が注目ポイントだったのが、いずれもサラッとしていてもう少しなんとかならんかったのかという思いはある。逆に、これらの「売り」にするポイント以外は、ある意味過去のスター・ウォーズ作品の本歌取りみたいなもので、類似点を見つけて楽しむことはできても、過去の遺産を食いつぶしているという見方もできる。そういう意味では、この映画が後世の映画から参照されるような斬新な名場面がなかった。

サッカーの日本代表はワールドカップの本番直前に監督交代があったが、この映画も最初は「ファンタスティック・フォー」のジョシュ・トランクが監督に指名され、その後「LEGO ムービー」のフィル・ロード&クリス・ミラーに代わって撮影が始まったが、突然ベテランのロン・ハワードへと監督交代し、ほぼ撮影済だったシーンの7割を取り直したという。映画がサッカーと違うのは、お蔵入りになった未公開のフィルムを見ることができないこと。ロン・ハワードの堅いが斬新さがない映画よりも、フィル・ロード&クリス・ミラーが作ろうとしていた映画を見てみたかった。

出演者に関しては、若き日のハンを演じたオールデン・エアエンライクは悪くなかったと思う。ただ、ストーリーやシナリオが少々大人し過ぎたのではないだろうか? ハン・ソロの魅力は、根は良い人間だが同時にならず者で既存の体制とかを逸脱しているところなのに、この映画のハンは優等生でマイルド過ぎる。相方の女性にやり込められたときの間抜けっぽいところは良くできているが。

キーラ役のエミリア・クラークもなかなか良かったが、コレリアを脱出する前は普通の女の子だったのが、数年後には組織の副官で鳴らしていて、知識、判断力だけでなく格闘能力まで手に入れているというのはギャップが大きすぎ、まあええけど。クラークの出世作はファンタジードラマの「ゲーム・オブ・スローンズ」。機会があれば観てみたい。

映画のラスト近くでキーラが組織のボスと連絡したときに出てきた相手がダース・モールだったのには仰天した。というのも、この映画の時代設定はスター・ウォーズ本編との比較で言うとエピソード3.5くらいのはず。方やダース・モールはエピソード1でクワイ・ガン・ジンを倒したあと、若きオビ=ワンに胴体を両断されて死んだはず。これはおかしいと思って後でしらべてみたところ、スター・ウォーズのアニメシリーズでは、ダース・モールは上半身だけ生き残った後、ダース・シディアス(パルパティーン)とは別れて、オビ=ワンへの復讐のために悪の結社を作っていたのだった。スター・ウォーズの制作権がジョージ・ルーカズからディズニーに渡って、エピソード7以降が大きく変わってしまったりして、古き良き映画、アニメ、小説のスター・ウォーズの世界観が失われてしまうことを危惧する声はあるが、かといって映画の本編で使っていないネタを突然出すのは反則やないかと釈然としない。

アメリカでの興行成績が伸びないことで、ディズニーのスター・ウォーズのスピンオフ計画は見直しが入るらしいが、ランド・カルリシアン、オビ=ワン・ケノビ、ボバ・フェットなど使えるネタがまだ沢山ある。しかし、これらはジョージ・ルーカズの遺産みたいなもので、それらを浪費するだけでなく、更に光り輝かせるような映画にしないと観客は納得しないだろう。

予告編

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