今日の映画 – ハッピーエンド(Happy End)

Happy End

映画レビュー

この映画を観てみようと思ったのは、キャストにジャン=ルイ・トランティニャンが入っていたから。ちなみに、トランティニャンと娘役、といってもおばちゃんやけど、のイザベル・ユペールは、同じミヒャエル・ハネケ監督の前作「愛、アムール」でも親子役で共演している。なので、トランティニャンというと老人のイメージがあるかもしれないが、1960~70年代にフランスの名だたる監督たちに引っ張りだこだった俳優。有名なところでは「男と女」などがあるが、ちょっと中年掛かった頃の「Z」とか、ロミー・シュナイダーと共演した「離愁」なんかも良かった。

そのトランティニャン演ずるちょっと痴呆がかかった老人ジョルジュ、娘のアンヌ(イザベル・ユペール)、息子トマ、トマの前妻との娘エヴ、アンヌの息子のピエールが主な出演者。この一家、一見普通に見えるが映画が進むにつれ、みんなちょっとずつ変な人であることが分かってくる。この流れを淡々と見せるところがいかにもヨーロッパ映画。アメリカ人が撮ると客受けするポイントを作りたくなるようなところも、ちょっと引いた視点で敢えて盛り上げないのがシニカルで、逆に笑いを誘われてしまうようなところもある。

これは映画の中でエヴの視点で見せているシーンをスマホでのビデオ撮影の画面を通した映像にしているところに通じる。映画のポスターもスマホの画面の体裁にしてあるが、人と人との気持ちの交流が希薄になり、あたかもカメラのファインダーを通したような視点になってしまっている世相を皮肉っているように思える。そもそも、傍目にハッピーとは見えないこの映画のタイトルが「ハッピーエンド」となっているところに監督の遊び心があるのだろうか?

予告編

2018年に観た映画

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