今日の映画 – アドバンスト・スタイル　そのファッションが、人生（Advanced Style）

ニューヨークのファッション・コンシャスなおばあちゃん７人が登場するドキュメンタリー。映画のプロデューサーでもあるアリ・セス・コーエンが始めたニューヨークの街中の６０歳以上のおしゃれな人（主におばあちゃん）の写真を載せたブログ「Advance Style」が発展して映画となったもの。

登場する７人は６２歳から９５歳。それぞれ個性的でエネルギッシュで自信に満ち溢れている。映画の中で、２人はLANVINのモデルとしての撮影に挑戦し。他の３人はテレビ出演のためにカリフォルニアまで出かけていく。

残された時間が限られているというような年寄りの自虐的な台詞を交えながら自分の生き方を明るく語るとか、想像できるような内容ではあるが、それぞれ年季が入っているので散漫にならずにそれなりに纏まっている。

一方で、緑内障で目が殆ど見えなくなっているという話があったり、撮影期間中に最年長のおばあちゃんがファッション・ショーを観ている最中に昏睡してそのまま亡くなったり、老衰と死の影も付きまとう。ちなみに、亡くなった９５歳のおばあちゃんは映画には出ているが、何か配慮があったのか、ポスターなどのプロモーションのメディアには一切写真が出ていない。

７人のおばあちゃんは普通体型か痩せている人ばかりで、太っている人はいない。太り過ぎないように気を使って、着るものや身の回りのものを揃えるためにはそれなりの経済的裏付けが必要で、そういう意味では７人は７人とも成功した部類の人たちで、日々の生活に追われてるようなことはない。映画では直接言っていないが、老後の人生を楽しむためには、お金が要るということ。

映画自体は低予算のインディーズ物。監督もアリ・セス・コーエンの知り合いの女性が撮っているらしい。手造り感は随所にあるが、題材が題材だけに、軽薄な感じにならずに済んでいるのがよい。

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